ソーシャルワーカーが考えるWell-beingと社会システム論

このブログでは、コーチングやソーシャルワークの理論などを基盤に「場づくり」「Well-being」に関する情報をお届けしています。ブログのほか様々なメディアで情報提供しています。(Xはこちら)・(YouTubeはこちら

こんにちは、森山です。

今回は

Well-beingと社会システム論

について、話をしていきたいと思います。

私は日頃からソーシャルワーカーとしてWell-beingについて情報発信をしています。

その中で、

頑張っても、状況は良くならない。

努力して成果を出しても、なんか虚しくなってしまう。

そんな状況でお悩みの方に、状況を打破するヒントとなるような情報提供していきたいと思います。

  • 自然体で周りの目を気にせず自分らしく生きる家庭・職場に身を置く
  • 責めたり罵ったりすることなく支え合い高め合える関係を築く

そんな状態を実現するためにお役立ていただける情報をお伝えしていきますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

社会システム論でみるつながりと関係性

私たちは、ときどき自分の人生を、自分一人の力で動かしているように感じることがあります。

  • うまくいったのは、自分が努力したから。
  • うまくいかなかったのは、自分の力が足りなかったから。
  • 続けられないのは、意志が弱いから。

そのように考えてしまうことは、決して珍しいことではありません。私たちは日々、自分の選択や行動に責任を持ちながら生きています。だからこそ、自分の内側に原因を探そうとするのは、とても自然なことです。

個人の努力だけで物事を判断していいの?

けれども、人の暮らしや健康、幸福、働き方、生きづらさについて考えるとき、個人だけを見ていては見落としてしまうものがあります。

というのも、「個人」は複雑な関係性の中で生き、個人を取り巻く「環境」をみることなくその人の問題を解決しようとしても難しいことが多いからです。

一人一人を取り巻く関係を見る

では、私たちを取り巻く関係について、目を向けみると、何に気づけるでしょうか?

家族、友人、職場、学校、地域、制度、文化、経済、言葉、空気感。

私たちは、こうしたさまざまなものに囲まれながら生きています。

例えば自分の職業は、自分で選んでいるように見えますが、これまでの教育や人間関係、家族とのことが職業選択の条件になっているかもしれません。

このように、私たちの「幸せ」も「悩み」も、実は環境や関係から大きな影響を受けているものがあります。

社会システム論について基本を学ぶ

社会システム論とは、まさにこのような視点から社会を見つめる考え方です。

社会を、一人ひとりの個人がただ集まったものとして見るのではなく、人と人との関係、役割、ルール、情報の流れ、制度、文化、コミュニケーションなどが互いに影響し合う仕組みとして捉えます。

少し難しく聞こえるかもしれませんが、出発点はとてもシンプルです。

人は、一人で生きているのではない。
人は、関係の中で生きている。

この視点を持つだけで、Well-beingの見え方は大きく変わります。

幸せや健康は、単に個人の心の持ち方だけで決まるものではありません。どのような関係の中にいるのか。どのような場に身を置いているのか。どのような言葉を受け取り、どのような役割を担い、どのような制度や文化の中で暮らしているのか。

そうしたものが、私たちの生きやすさや苦しさに深く関わっているんですね。

その辺りをもう少し深掘りをしてみていきますね。

システムとは要素の集まりではなく関係のまとまり

社会システム論を理解するうえで、まず大切なのは、システムという言葉の捉え方です。

できるだけわかりやすく、「システム」という言葉について解説をしていきますね。

システムってなんだ?

システムという言葉、結構日常的に使いますよね。

もしかすると、機械やコンピューターのようなものを思い浮かべるかもしれません。

けれども、社会システム論でいうシステムは、もっと広い意味を持っています。

この「システム」という言葉は、複数の要素が関係し合いながら、一つのまとまりとして働いているもののことを表します。

たとえば、家族を考えてみます。

家族は、単に何人かの人が同じ家にいるというだけでしょうか?

そうではありませんよね?

親子関係、夫婦関係、きょうだい関係、家事や育児の分担、会話の仕方、沈黙の意味、暗黙のルール、長年の習慣などが絡み合っています。

つまり、家族も「家族システム」として捉えることができるんですね

システムの中の1人が疲れていると?

もし、家族の中の誰か一人が疲れていると、家の空気が少し重くなることがあります。

反対に、誰かが安心して話せるようになると、他の人の表情や態度も少し変わることがあります。

つまり、家族というシステムでは、一人の変化が他の人にも影響し、その影響がまた本人に返ってきます。

これは職場でも同じです。ある人がいつもピリピリしていると、周囲は話しかけにくくなります。話しかけにくくなると、その人はさらに孤立し、余裕を失っていくかもしれません。

反対に、誰かが少しあいさつをするようになると、そこから会話が生まれ、相談が生まれ、職場全体の雰囲気が少しやわらぐこともあります。

システムでは互いに影響を与え合う

このように、システムの中では、何かが一方的に原因となり、何かが一方的に結果になるとは限りません。さまざまな要素が、互いに影響し合っています。

だからこそ、社会システム論では、個人だけを見るのではなく、その人がどのような関係の中にいるのかを見ようとします。

問題は個人の中だけにあるとは限らないって?

この「システム」の視点を持つと、問題の見え方も変わります。

たとえば、ある人が疲れ切っているとしますよね?

個人だけを見ると、ストレスに弱い、自己管理ができていない、考え方がネガティブだ、というふうに見えてしまうかもしれません。

もちろん、本人の状態を丁寧に見つめることは大切です。休息が必要なこともありますし、考え方や行動の工夫が助けになることもあります。

けれども、それだけでは十分ではない場合があります。

人を「社会」「環境」の中にいる存在としてみる

ではその人は、

  • どのような役割を抱えているのでしょうか。
  • 助けを求めやすい関係はあるのでしょうか。
  • 失敗しても大丈夫だと思える環境はあるのでしょうか。
  • 休むことが許される文化はあるのでしょうか。
  • 制度や仕組みが、その人に負担を集中させていないでしょうか。

こうして見ていくと、しんどさはその人の内側だけで生まれているのではなく、関係や環境の中で生まれていることが見えてきます。

個人の責任を無くしたり自由な選択を否定するわけではない

これは、誰かの責任をなくすという話ではありません。個人の力や選択を否定する話でもありません。

むしろ、個人が本来の力を発揮できるようにするために、その人を取り巻く関係や環境を見つめる必要がある、ということです。

人は、安心できる関係の中で力を取り戻すことがあります。自分の役割を少し見直すだけで、呼吸がしやすくなることがあります。助けを求めてもよい場があることで、無理をし続けなくてよくなることがあります。

Well-beingを考えるとき、この視点はとても大切です。

相互作用とフィードバックが日常をつくっている

社会システム論では、人や組織や地域を相互作用の連なりとして見ます。

相互作用って?

相互作用とは、お互いに影響し合うことです。

私たちは、誰かに影響を与えながら、同時に誰かから影響を受けています。自分の何気ない言葉が、相手の表情を変えることがあります。相手の反応が、また自分の気持ちや行動に影響することもあります。

こうした影響の循環を考えるときに大切なのが、フィードバックという考え方です。

フィードバックという考え方

フィードバックとは、ある行動や出来事の結果が、めぐりめぐってシステム全体に影響し、また自分や場に返ってくることです。

たとえば、地域で小さな読書会を始めたとします。最初は数人だけの集まりかもしれません。しかし、そこに参加した人が別の人を誘い、本をきっかけに会話が生まれ、その会話から新しい企画が生まれることがあります。

すると、最初の小さな読書会は、ただの一回のイベントではなくなります。人と人との関係を少し変え、地域の中に新しい流れを生み出していきます。

現状を維持しようとするフィードバックもある

一方で、フィードバックには、今の状態を保とうとする働きもあります。

新しいことを始めようとしても、いつものやり方に戻ってしまうことがあります。これは悪いことばかりではありません。人や組織や地域には、安定を保つ力があります。安定があるからこそ、安心して過ごせる面もあります。

ただし、その安定が強すぎると、変化が起きにくくなることもあります。

社会システム論を知ることで見えてくることがある

ここまで、社会システム論の超基本をわかりやすく解説してきたつもりです。

社会システム論では、変化を無理に押しつけるのではなく、小さな相互作用の変化からシステム全体の流れを見ていきます。

このことを日々の暮らしに活かすなら、

  • 挨拶が増える。
  • 相談できる人が一人増える。
  • 役割を一人で抱え込まなくなる。
  • ありがとうが言葉になる。
  • 小さな集まりが生まれる。

こうした小さな変化が、少しずつ関係の流れを変えていくことがあります。

社会システム論と「境界」|閉じることと開くこと

ここまで「社会システム論」を「家族や地域など具体的な関係、暮らしの中での影響」に沿わせてみていきました。

このように関係が大切だと言うことですので、

  • すべてを開けばよい
  • 誰とでもつながればよい

そんなふうに思われることがあります。

境界を大切にすること

一方で、社会システム論では境界という考え方も大切にします。

境界とは、内側と外側を分けるものです。

家族には家族の境界があります。職場には職場の境界があります。地域の居場所にも、その場らしさを守るための境界があります。

境界は、閉ざすためだけのものではありません。むしろ、安心して開くために必要なものでもあります。

地域で場づくりを実践|閉じ方と開き方のバランス

私は地域で場づくりをしています。

たとえば、誰でも来られる地域の場であっても、そこに安心して過ごすためのルールやマナーがなければ、かえって居づらくなることがありますよね?

何をしてもよい場は、自由に見えて、実は安心できない場になることがあります。

一方で、境界が硬すぎると、新しい人が入りにくくなります。

外からの情報や支援も届きにくくなります。

大切なのは、開かれていることと、守られていることのバランスです。

Well-beingを支える場には、この両方が必要です。自由に関われる余白がありながら、安心していられる土台もある。そのような境界のつくり方が、人と人との関係を育てていきます。

柔軟な「役割」|関係の中で変わっていく

次に見ていくのは「社会」の中での「役割」です。

私たちは、さまざまな役割を持って生きています。

親、子ども、友人、職員、支援者、利用者、先生、生徒、地域の一員、場の運営者、参加者。

けれども、役割は一度決まったら変わらないものではありません。役割は、関係や場面の中で生まれ、変化していきます。

支えたり支えられたり

ある場所では支える側だった人が、別の場所では支えられる側になることがあります。普段は静かに過ごしている人が、得意なことをきっかけに場を支える存在になることもあります。いつも助けてもらっていた人が、別の誰かにとって大切な支えになることもあります。

社会システム論の視点に立つと、人を一つの役割に固定しすぎなくなります。

  • この人は支援される人。
  • この人は支援する人。
  • この人はリーダー。
  • この人は参加者。

そのように分けてしまうと、人の可能性は狭くなります。

場と人とつながりと

人は、関係の中で違う顔を見せます。場が変われば、役割も変わります。自分では気づいていなかった力が、誰かとの関わりの中で引き出されることもあります。

Well-beingとは、その人が持っている力を一人で証明することではありません。関係の中で、自分の力が自然に表れたり、誰かに受け取られたりすることでもあるのだと思います。

コミュニケーションが社会をつくる

次に見ていくのは「コミュニケーション」です。

社会システム論では、コミュニケーションもとても重要な概念です。

社会システム論におけるコミュニケーション

社会は、人がただ集まるだけでは成り立ちません。言葉、表情、沈黙、行動、制度、記録、約束。こうしたものを通じて意味がやりとりされることで、社会は形づくられています。

ありがとうという一言が、関係をあたためることがあります。
大丈夫ですかという声かけが、孤立を少しやわらげることがあります。
ここにいてもいいという空気が、人を安心させることがあります。

反対に、何気ない言葉が人を傷つけることもあります。誰も何も言わない沈黙が、排除のメッセージとして伝わることもあります。

コミュニケーションとは情報を伝えるものなの?

コミュニケーションは、単に情報を伝えるものではありません。関係をつくり、場の空気をつくり、人が自分をどう感じるかにも影響します。

だからこそ、Well-being Lab.では、どのような言葉を交わすのか、どのような問いを立てるのか、どのような対話の場をつくるのかを大切にしたいと考えています。

人は、言葉によって傷つくこともあります。けれども、言葉によって回復することもあります。関係の中で受け取った一言が、その人の内側に小さな灯をともすことがあります。

社会システム論とWell-being|幸せは関係の中で育まれる

次に見ていきたいのは「Well-being」です。

Well-beingという言葉は、個人の幸福や健康として語られることが多くあります。

もちろん、自分の心身を整えることは大切です。自分の望みを見つめることも、自分の生活を整えることも、とても重要です。

幸福は個人の内側で完結するか?

幸せな状態は個人の内側だけで実現するものではありません。

  • 安心して話せる人がいる。
  • 困ったときに助けを求められる。
  • 自分の役割を感じられる場がある。
  • 誰かの役に立てたと感じられる。
  • 自分のペースを尊重してもらえる。
  • 暮らす地域に、少し信頼できる関係がある。

こうした関係や環境が、人のWell-beingを支えています。

つまり、Well-beingは心の状態であると同時に、関係の質でもあります。場の質でもあります。社会の質でもあります。

幸せは関係性の中で育まれること

この視点に立つと、幸せは一人で所有するものではなく、関係の中で育まれるものとして見えてきます。

自分が少し元気になると、誰かにやさしくできる余白が生まれる。誰かが安心して過ごせる場があると、そこに関わる人の暮らしにも安心が広がる。地域の中に信頼できる関係が増えると、一人ひとりの生きやすさも少しずつ変わっていく。

Well-beingは、そうした循環の中にあります。

日々の暮らしと社会システム論|小さな関係の変化から始める

ここまで社会システム論について噛み砕いてみてきました。

社会システム論というと、大きな社会構造を分析するための理論のように聞こえるかもしれません。

けれども、この考え方は、私たちの日常に深く関わっています。

社会システム論を学んだ後「暮らし」を見つめ直す

例えば、

  • あいさつをする。
  • 話を最後まで聴く。
  • 誰かの得意なことに気づく。
  • 役割を一人で抱え込まない。
  • 感謝を言葉にする。
  • 小さな集まりを開いてみる。
  • 安心していられる場をつくる。

こうした一つひとつの行動は、とても小さく見えるかもしれません。けれども、システムは小さな相互作用の積み重ねでできています。

小さな変化やちょっとした気づきこそ重要

だからこそ、小さな関係の変化には意味があります。

いきなり社会全体を変えることはできなくても、自分が関わる場の空気を少し変えることはできるかもしれません。誰かの話を丁寧に聴くことで、その人が少し安心できるかもしれません。自分一人で抱えていた役割を誰かと分かち合うことで、関係の流れが変わるかもしれません。

Well-being Lab.が大切にしたいのは、このような小さな変化の可能性です。

おわりに自分を責めすぎないでOK!関係を見つめる

ここまでたくさんの情報をお届けしてきました。

社会システム論は、私たちに大切な視点を与えてくれます。

それは、人は一人で生きているのではないという視点です。

自分だけを責めすぎないでOK。安心して支え合い、高めあおう。
誰か一人を悪者にしすぎない。
関係や環境の中で、何が起きているのかを見る。
そして、変えられる小さな関係から、少しずつ変えていく。

この見方は、暮らし、仕事、子育て、地域づくり、支援、教育、組織づくりなど、さまざまな場面に活かすことができます。

つながりの中で生きる私たち

私たちは、つながりの中で生きています。

だからこそ、Well-beingもまた、つながりの中で育まれていきます。自分を整えることと、関係を整えること。自分の望みを大切にすることと、誰かの望みも大切にすること。自分の暮らしを見つめることと、社会のあり方を見つめること。

それらは、別々のものではなく、深くつながっています。

Well-being Lab.が問い続けること

Well-being Lab.では、これからも問い続けていきたいと思います。

どのような関係が、人を健やかにするのか。
どのような場が、人の可能性をひらくのか。
どのような社会のあり方が、一人ひとりのWell-beingを支えるのか。

社会システム論は、その問いを深めるための大切な手がかりになります。

そして、その問いは決して専門家だけのものではありません。

私たち一人ひとりが、日々の暮らしの中で、誰かとの関係の中で、少しずつ考え、試し、育てていくものなのだと思います。

投稿者プロフィール

Mocchy

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