幸せは「ひとり」では育たない|Well-beingを支える『場』の力
こんにちは。
Well-being Lab.の森山です。
今回は
場づくりとWell-being
について、話をしていきたいと思います。
私たちは日々、いろいろな場所で生きていますよね?
家庭や学校、そして職場。
家も学校も職場も、地域の中にあるわけですし、もっと大きく言えば、社会や世界、地球や宇宙という場の中にあります。
実は、あまり意識しないかもしれませんが、
私たちの心の状態や、幸せの感じ方、生きる意味の実感は、かなり大きく「場」から影響を受けている
そのように聞くと、いかがでしょうか?
同じ自分であっても、安心できる場所にいる時と、否定される場所にいる時では、まったく違う自分が出てきます。
本音を話せる場にいる時と、常に評価される場にいる時では、呼吸の深ささえも変わるかのように思います。
つまり、Well-beingを考える時に、個人の努力や考え方だけを見るのでは足りないのです。
- 「その人が、どんな場にいるのか」
- 「その場で、どんな関係性が育っているのか」
- 「その場に、安心や余白や信頼があるのか」
ここを見つめることが、とても大事だと思っています。
苦しみは個人の中だけにあるのだろうか

悩みや苦しみを抱える時、私たちはつい「自分が弱いからだ」と思ってしまいます。
- うまく話せない自分が悪い。
- 頑張れない自分が悪い。
- 人とうまく関われない自分が悪い。
- もっと強くならないといけない。
そんなふうに、自分を責めてしまうことってないですか?
でも本当に、苦しみはその人の中だけにあるのでしょうか。
心の持ち方や考え方は大事…だけど「環境」の影響も大きい
もちろん、心の持ち方や考え方が影響することはあります。けれど、私たちは環境の中で生きています。
家庭で安心できず、学校にも居場所がない。
職場で自分の存在が尊重されている実感がないし、地域の中でつながりなんてないし、どうつながればいいかもわからない。
SNSを見ていても、社会全体に、余裕ややさしさが少なくなっているように感じて、なんだか怖い。
場の影響を受けて「つながりにくい」と感じ、不安になる
そうした場の影響を受けながら、人は疲れていきます。
だからこそ、Well-beingとは「自分だけを整えること」ではなく、「自分が生きる場を整えること」でもあるのだと思います。
幸せが育つ場には安心と余白がある

では、幸せが育つ場とは、どんな場なのでしょうか。
安心や余白がある場では自分らしくいられる
私はそこに、安心と余白があることが大切だと感じています。
安心とは、何か特別に守られているということだけではありません。
無理に話さなくてもいい。
完璧でなくてもいい。
すぐに成果を出さなくてもいい。
そこにいてもいい。
少し弱っていても、存在を否定されない。
そんな感覚です。
余白のある場とは?埋め尽くされない環境が整っている
そして余白とは、すぐに答えを出さなくてもいい時間や、目的だけで埋め尽くされない関係性のことです。
何気ない会話をする。
同じ空間で本を読む。
一緒にご飯を食べる。
誰かの話を聞く。
とくに大きなことはしていないけれど、なんとなく心がほどける。
そういう時間の中で、人は少しずつ自分を取り戻していくのだと思います。
幸せとは無理に前向きになり充実をアピールすることではない
私は常々思うのですが、幸せとはいつも明るく前向きでいることではないと思っています。
苦しみや悩みがある中でも、「それでもここにいていい」と思える感覚。
その感覚を支えるのが、豊かな場なのではないでしょうか。
場は勝手には育たない|場づくりを通じて幸せになる

ただし、豊かな場は、勝手には育ちません。
安心できる家庭。
学び合える学校。
尊重し合える職場。
支え合える地域。
人の尊厳が守られる社会。
どれも、自然に生まれて、自然に続いていくものではないのかもしれません。
小さな積み重ねで場を育てていける
誰かが気にかける。
誰かが整える。
誰かが守る。
誰かが声をかける。
誰かが無理をしすぎていないか、ちゃんと見つめる。
そういう小さな営みの積み重ねによって、場は少しずつ育っていきます。
イベント企画や場の運営だけが「場づくり」ではない
場づくりというと、イベントを企画したり、場所を運営したり、何か大きな仕組みを作ることのように聞こえるかもしれません。
でも、もっと日常の中にも場づくりはあります。
- 家族の話を少し丁寧に聞くこと。
- 職場で誰かを責める前に背景を想像すること。
- 地域の中で、ひとりになっている人に気づくこと。
- チームの目的を大事にしながら、人を道具のように扱わないこと。
こうしたことも、すべて場づくりです。
利他性は大事だが「自分を犠牲にする」必要はない

場を豊かにするうえで、利他性も大切なテーマです。
場を共有する人が、みんな自分勝手で他者のことを傷つけたり奪ったりするような形では、場は乱れます。
利他性を持つこととは?
ただ、利他性という言葉には少し注意が必要です。
誰かのために自分を犠牲にする。
自分の本音を押し殺して、周りに合わせる。
自分が苦しくても、相手のために頑張り続ける。
それは一見、やさしさのように見えるかもしれません。
でも、その状態が続いてしまうことで、やがて自分の本音がわからなくなり、ひどい時には自分の感情が乱れたり、健康状態が悪化してしまったりすることがあります。
自己犠牲の先に場が乱れみんなが不幸に
自己犠牲の状態を続けていると、自分の足元が揺らいでいき、本当の意味で人を支えることも難しくなっていきます。
私が大切にしたい利他性は、自分を消したり犠牲にしたりすることではありません。
自分の内側にある豊かさが少しずつ溢れて、それが誰かの安心や希望につながっていくことです。
家族を思うこと。仲間を支えること。職場やチームに貢献すること。組織が社会に価値を生み出すこと。地域の中で、誰かの居場所が生まれること。
そうした循環の中に、Well-beingの本質があるように思います。
自分と相手と場を大切にする
自分も大切にする。
相手も大切にする。
場も大切にする。
この三つが切り離されずに育っていく時、そこにはエウダイモニア、つまり「よく生きる」という感覚が生まれてくるのではないでしょうか。
場の中心にあるのは支配ではなく美意識

私は地元の大阪府豊中市で「まちあいの森」という場づくりを実践しています。
オンラインまちあいの森として、場づくりを学んだり、体感できる場の運営も行っています。
場は無理にコントロールすると乱れる
場の運営をしながら感じていることがあります。
場の中心に、誰か一人の強い正解があるわけではない。
場の中心に、管理や支配があるわけでもない。
もちろん、目的やルールは必要なことはあるでしょうが、それだけでは人の心は育ちません。
目には見えないけど大切なものが場を豊かにする
その場に流れている空気。
大切にしたい感覚。
人との距離感。
言葉になりきらないやさしさ。
無理に踏み込まず、でも無関心ではない関わり。
そういうものを、私は美意識と呼びたいと思っています。
美意識という判断軸
ここでいう美意識とは、単に見た目のオシャレさを追求する感覚ではありません。
言語化しきれないけど確かに存在する、その人固有の判断軸です。
何をするか以上に、何をしないか・何を守るか・どのように世界と関係するかに表れるものと考えられます。
人との関わり方や大切にするもの
どう人と関わるのか。
何を大切にするのか。
どんな未来を願うのか。
何をしないと決めるのか。
どんな痛みに気づこうとするのか。
そうした姿勢そのものです。
豊かな場には美意識がある
豊かな場には、目に見えない美意識があります。
そして、その美意識があるからこそ、人は安心して自分に戻ることができるのだと思います。
まちあいの森で願っていること

まちあいの森では、本を読んだり、対話をしたり、何気ない時間を共にしたりしながら、人と人がやさしくつながる場を育てたいと思っています。
成果や結果だけではない豊かさ
何かすごい成果を出すためだけの場所ではありません。
誰かが誰かを一方的に救う場所でもありません。
ただ、そこに来た人が、少し呼吸を取り戻す。
自分の言葉を思い出す。
誰かと出会い直す。
もう一度、自分の人生を大切にしてみようと思える。
そんな場でありたいと思っています。
Well-beingは場で育つ
Well-beingは、個人の内側だけで完結するものではありません。
私たちは、場の中で傷つき、場の中で癒され、場の中で育ちます。
だからこそ、幸せを願うなら、場を育てることが大切です。
家庭でも、学校でも、職場でも、地域でも。
そして社会全体でも。
一人一人の内側から幸せが溢れるように
誰かの幸せが、自分の幸せと切り離されないような場。
自分の豊かさが、誰かの安心につながっていくような場。
苦しみを抱えた人が、ひとりで自分を責め続けなくてもいい場。
そんな場を、みんなで作り、守り、育てていく。
その先に、私たちが本当に求めているWell-beingがあるのではないか。
そんなことを思いながら、今日もまちあいの森の実践を続けています。
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